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避妊

妊娠を望んでいないとき、妊娠を防ぐ方法が「避妊」
まちがった情報にふりまわされず、2人でリスク対策をすればもっと安心できる関係に

<!>避妊に失敗してしまった!という人は「アフターピル・緊急避妊」へ

⇒避妊・妊娠不安について相談したいという人は、「ピルコンにんしんカモ相談」へ

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知っておきたい避妊のウソ

○ウソ1 腟外射精(外出し)で避妊ができる

腟外射精は、射精直前に男性器を腟から抜いて射精する方法。射精前に出てくる透明な液体にも精子が含まれるので、避妊にはなりません。

○ウソ2 安全日・生理中なら妊娠しない

排卵後の卵子は1日程度受精可能ですが、排卵のタイミングを把握することは難しく、子宮の中で精子は3~5日程度生き残ることもあります。腟からの出血が必ず月経とは限らない上、若くて月経周期が安定しない内はいつでも妊娠の可能性があると考えた方がいいでしょう。

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○ウソ3 性交後に腟の中を洗えば大丈夫

シャワーなどが届かない子宮の奥に精子が入ってしまうので、避妊効果はありません。炭酸水などで洗うことも避妊の効果はありません。

また、初めての性行為であっても、中高生であっても、性行為の延長上には妊娠の可能性があります。

⇒これって避妊になる?ならない? 詳細は妊娠

性行為を誘われたけど、したくない時は?

性行為をしたくない時は、「今はしたくない」「そういう気分じゃない」「まだ心の準備ができない」「自分の気持ちがよくわからない」等とハッキリ自分の気持ちを伝えてみてください。言葉に出しづらければ、首を横に振ったり、まずはその場から離れるということもできます。なぜそう思うのか、という理由や背景も説明できると相手の理解も深まります。一方的で相手が聞く耳を持ってくれないという時は、対等な関係とは言えないのかもしれません。相手との関係性を考えてみましょう。

⇒詳しくは性的同意

避妊方法の選択肢って何があるの?

性行為をしないことが、最も確実な避妊方法ですが、様々な避妊法の選択肢があります。自分やパートナーと安心して使えるものを選ぶことが大切です。

避妊インプラントなど、動画内で紹介されている日本にはない避妊方法について、#なんでないのプロジェクトのサイトでも紹介されています。

○低用量ピル

ピル

・1日1錠女性が飲む薬

・女性ホルモンが含まれており、正しく服用することで、排卵をストップさせ、子宮内膜を厚くしない効果がある

・1ヶ月分2000円~3000円程度

・病院(婦人科・産婦人科等)で処方される

・月経痛や月経不順の治療にも使われる

・避妊効果は高いが、飲み忘れがあると効果が下がる(1年間の避妊失敗率 理想的な使用:0.3% 一般的な使用:7%)

⇒低用量ピルを飲み忘れた場合の対応については、「ピル飲み忘れ対策フローチャート」(日本家族計画協会作成)が参考になります。

⇒詳細は低用量ピル

○コンドーム

コンドーム

・ゴムやポリウレタン製の袋で、男性器に装着することで、粘膜や体液が直接接触することを防ぐ

・1箱5~10個入りで500円~1000円程度

・ドラッグストアやコンビニで手軽に買える

・性感染症予防に有効

・きちんとつけるためには技術が必要(1年間の避妊失敗率 理想的な使用:2% 一般的な使用:13%)

⇒詳細はコンドーム

ピルなど女性主体の避妊法とコンドームを併用する「デュアル・プロテクション(二重の防御)」により性感染症予防と高い避妊効果を期待できます。

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〇IUD、IUS(子宮内避妊具)
IUD

・子宮内に装着する小さな器具を子宮内避妊具(IUD/Intrauterine device)と言います。IUDには銅が付加されているもの、されていないものなどいくつか種類があります。IUDの中でも黄体ホルモンが持続的に放出されるものを子宮内避妊システム(IUS/Intrauterine Systemの略)と呼びます。※2023年3月に日本では銅付加IUDは製造中止となりました。

・一度挿入すれば、数年にわたり避妊が可能で3万円~10万円(※避妊目的の場合は自由診療となり、医療機関により価格が異なります。)

・IUSを過多月経・月経困難症の治療として使う場合は保険適用で1万円ほど(※別途性感染症検査費用などかかる場合があります)

・医師による装着、除去が必要

・避妊効果が高い(1年間の避妊失敗率 IUS : 0.5%~0.7% , 銅付加IUD : 0.6%~0.8%)

・ピルの服用が適さない人や、長期の避妊を望む女性に適している

【一覧】未産婦でもミレーナの相談に乗ってくれる医療機関(ハフポスト日本版編集部/2018.11.11)

〇パイプカット(精管結紮術)

・精管を縛って、睾丸から精子が精液の中に送り出されるのを防ぐ避妊手術

・費用は5~20万円ほど

・射精や性行為への影響はないが、一度すれば、その後の妊娠機能の回復は難しい

・避妊効果が高い(1年間の避妊失敗率 0.1%~0.15%)

・泌尿器科等の医療機関で30分ほどの簡単な手術で可能(医療機関によっても時間には差があります)

 

避妊法にはその他にも、基礎体温を計測し目安にするリズム法や、女性が受ける避妊手術などもあります。避妊の選択肢や各避妊法のメリット・デメリットについてもっと知りたい方は、こちらのHPも参考にしてください。

避妊のススメ(バイエル製薬)「さまざまな避妊法」

※各種避妊法の1年間の失敗率(パール指数。100組のカップルが1年間その避妊法を行った際の妊娠数。)は、Family Planning: A Global Handbook for Providers. 2018 World Health Organization and Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health.のデータを参照にしています。

もし避妊に失敗したときは、緊急避妊を!

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避妊に失敗した時や性被害にあった時は、女性が産婦人科・婦人科を受診し、72時間(3日)以内にアフターピル(緊急避妊薬、緊急避妊ピルとも)を服用することで、高い確率で妊娠を防ぐことができます。アフターピルを服用することで排卵を遅らせたり、子宮内膜(受精卵が着床する部分)の状態を変化させて妊娠の成立を防ぎます。価格は6000円~2万円ほどのところが多いですが、医療機関によって異なるので、事前に確認しましょう。性行為から120時間(5日)以内に産婦人科・婦人科に受診し、子宮内に銅付加IUDという子宮内避妊具を装着する方法もあります。

事前に医療機関に取り扱いや価格を問い合わせてから受診することをおすすめします。日本家族計画協会HPや、思春期・FPホットラインという電話の問い合わせ窓口で処方してくれる機関を検索・紹介してもらうことができます。

●病院検索サイトでの検索

緊急避妊に関する診療が可能な医療機関についての厚生労働省のサイト や日本家族計画協会ピル処方施設検索の他、休日・夜間の場合は病院検索サイトなどで、休日診療している婦人科・産婦人科、救急科、内科などの医療機関を検索し、問い合わせをして確認できます。

●薬局での緊急避妊薬の取り扱いの試験的運用について

2023年11月28日から、地域の一部薬局で試験的運用が始まります。
詳しくは、下記サイトをご覧ください。
緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業サイト(日本薬剤師会)

⇒詳細は、アフターピル・緊急避妊

また、性感染症の感染が心配な場合は、保健所や病院などで検査・治療も可能です。

⇒詳細は、性感染症

安全日ってあるの?

女性の月経周期によって妊娠のしやすさは変わりますが、「安全日(性行為をしても絶対妊娠しない日)」を正確に予測することは難しいです。

性行為による射精後、子宮の中で精子は3~7日間生きることもあり、女性の排卵のタイミングは体調により左右され、いつも周期通りとは限りません。妊娠を希望していないのであれば、「安全日はない」と考えた方がいいでしょう。

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⇒詳細は妊娠

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