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恋愛

恋愛したい!という人も、恋愛って何?という人も、ハッピーな恋愛のためには何が必要か、一緒に考えてみましょう!

  1. 恋や愛ってどんな気持ち?
  2. 相手に好意を伝え、いい関係を築くには?
  3. これってデートDVじゃない?
  4. おつきあいで大切なことは?
  5. 同性が好きな自分って変?
  6. 障害のある人も恋愛をする?

1. 恋や愛ってどんな気持ち?

たとえば、
● 一緒にいて楽しい
● 胸がドキドキする
● 心があったまり、安らぐ
● もっと相手のことを知りたい、自分のことを知ってほしい
● もっと一緒にいたい
● 触れ合いたい
● 相手を幸せにしたい
といった気持ちのこと。
そう思える相手がいるのは、ステキなことです。

そして、そういう気持ちになる相手は、必ずしも異性とは限りません。

その一方で、恋愛や性のことで、悩むこともあるかもしれません。
性に関することは、人生や健康にも深くかかわる大事なこと。自分の、そして相手のココロとカラダをきちんと知ること。そして、自分も相手も大切にしながら、お互いを思いやることが、ハッピーな恋愛の第一歩です。

「つきあう」ってどんなこと?

「つきあう」「恋人になる」とは、どういうことでしょうか?

たとえば、
● 定期的に会う
● よくLINEやSNSで連絡をとりあう
● 記念日を一緒にすごす
● お互いに「好き」ということを確認しあう

などなど、いろいろな考え方があります。
そして、キスやスキンシップ、性関係を持つ人がいたり、浮気はしてほしくない、結婚を考える、など、人によっては「つきあう」と言っても、違うイメージや価値観を持っていることもあるでしょう。

イラスト: ippo.

好きな人とのおつきあいを楽しむために大切なことは、気持ちの確かめあいです。

深い関係になるほど、「相手は自分の思い通りにしてくれる」という思い込みや勘違いによって、お互いに傷つくこともあります。お互いの心の中は見えません。特に、キスや性関係は、自分の特別に大切なところをふれられます。イヤな時は「イヤ」とはっきり言葉にし、自分の気持ちが分からない時は、あせる必要はありません。本当にしたいと思った時だけ「いい」と伝えましょう。

もし、相手から「イヤ」と言われたり、答えがあいまいなら、無理に関係を進めるのはやめましょう。相手から「イヤ」「まだ気持ちの準備ができない」と言われたとしても、それはあなたへの愛情がないわけではありません。相手の気持ちを尊重できることが愛情ではないでしょうか。

相手と気持ちを言葉でたしかめあい、お互いのペースで深めていけることが大切です。

「好き」と「気になる」の違いってあるの?

好きの意味、気になるの意味は人それぞれなので、正解はありません。好きと気になるに違いはない、と思う人もきっといます。

2.相手に好意を伝え、いい関係を築くには?

好きな人の前では、自然なふるまいができず、苦しくなってしまうこともあるかもしれません。もっと仲良くなりたいと思う相手に自分の気持ちを伝え、いい関係をつくっていくためのポイントとして、
● まずは「おはよう」「こんにちは」などとあいさつをする
● 笑顔でフレンドリーに接する
● 相手を笑わせるおもしろい話や共通する関心事の話をする
● 好意を言葉にして伝える
● 相手のいいところをほめる
● 相手が嫌がることや傷つける言葉は控える
● 励ましや応援の言葉をかける
● 一緒に時間をすごす機会を増やす(共通の友人と遊ぶ、一緒にご飯にいくなど)
などがあるでしょう。
すべてを一度にする必要はなく、相手の好意も確かめながら、徐々に関係を深めていくとよいでしょう。そして、必ずしもあなたの好意が相手に受け入れられるわけではないですし、あなたもすべての人の好意を受け入れなくてはいけないということではありません。

相手とキスやセックスをしたいけど、相手の気持ちがわからない時はどうしたらいい?

あなたは先に進みたいのに、パートナーの本当の気持ちが分からなかったり、自分の気持ちと違うと、もどかしく思うこともあるかもしれません。一方で、相手の同意のない性行為は、相手を深く傷つけることになることがあります。
⇒詳しくは、性暴力
パートナーが嫌がったり、関心を持てないのはどうしてなのか、どういうコミュニケーションだったらしたいと思えるのか、話しあってみてはと思います。

もしかしたら、心の準備が出来ていないのかもしれないし、スキンシップや性的なことが苦手とか、したくないタイプなのかもしれないません。また、もしかしたら昔イヤな経験があったのかもしれません。

初めは恥ずかしがってなかなか答えてくれないかもしれませんが、あなたにとって大切なことで、パートナーといい関係を築いていきたいという思いが伝わるといいと思います。

お互いオープンに自分の気持ちを話し合うことで、お互いを尊重しながら、それぞれの思いや心地よさを確認し、工夫していくことで、信頼関係につながっていくことでしょう。

「ファーストキスってどうすれば?」の動画でも、気持ちの確かめ方について紹介しています。

あきらめることも大切

どちらかがおつきあいをやめたいと思ったら、どちらかがまだ大好きでもおつきあいは終わりです。
自分のすべてを否定されたように感じて落ち込んでしまうかもしれません。
しかし、「その人にふられた」というだけで、あなたの価値がないということではありません。
もう好きな気持ちがない相手に対して、しつこく追いかけてもいい結果にはなりません。
そして、つらいことを乗り越える経験は、きっとあなたを成長させるはずです。

別れたいけど、別れられない…

恋人と別れたいけれど、引きとめられて別れられずに悩んでいる人もいるかもしません。

ただ、ぜひ覚えておいてほしいのが、別れに相手の同意はいりません

曖昧な表現はせず、「別れたいです」「もう会えません」とメッセージするだけであなたの気持ちは伝わります。相手は、説明を求めたり、説得しようとしたり、何かと理由をつけて会おうとしてくるかもしれませんが、応じる必要はありません。何を言われても、「いやです」「別れたいです」「もう会えません」とハッキリ伝えましょう。それでも、相手が自暴自棄になったり、あなたや周りの人に嫌がらせをしてきたとしたら、それはあなたのせいではなく、相手の責任です。あなたは自分を責める必要はありません。

相手がつきまとったり、嫌がらせをしてくる場合は、学校の保健室や学生相談室に相談したり、警察の生活安全課に相談し、相手がつきまとい・ストーカー行為をしないように警告や注意をしてもらうこともできます。

詳しくは⇒HELP!と言える勇気を。ストーカーは犯罪です。(警察庁の情報発信ポータルサイト)

恋人ができない!もっとモテたい!

恋人がいる・いないで人の価値が変わるわけではありません。むしろ、つきあっている相手がいないと不安、自分の価値が感じられないという人は、恋愛で相手の言いなりになってしまったり、相手を自分の思い通りにしたいという気持ちから、相手を傷つけてしまうことも。あなたはあなたらしく、あなたが大切にしたいと思う人が自然とできるまで、待ってみてはどうでしょうか。

3.これってデートDVじゃない?

「デートDV」って知っていますか? つきあっているカップルの間でおこる、暴力や支配的な関係のこと。相手が「こわいな」と思ったり、息苦しさを感じたら、デートDVのサインです。

IMG_6877デートDVの例

身体的暴力:なぐる、ける、髪をひっぱる、ものを投げるなど
精神的暴力:「バカ」など悪口を言う、無視する、勝手にケータイ・スマホをチェックするなど
性的暴力:イヤなのに性的なことをむりやりしたり、言ったりする、避妊に協力しないなど
経済的暴力:お金やものをみつがせる、お金を返さないなど
社会的隔離:ケータイ・スマホ使用の制限や強要をする、友人や家族から離すなど

ハッピーな恋愛のためには、イヤなことはハッキリ「イヤ」と言える対等な関係や、お互いを思いやる気持ちが大切です。

パートナー間における暴力に気づきやすくなるためには?

  • デートDVについての知識を身に着け、当事者は気が付きにくいという自覚を持つ
  • 暴力(身体的な暴力だけではなく、その人の尊厳を傷つけたり、自由を奪うこと)はいけないことであるという共通認識をもつ
  • 恋人間のコミュニケーションでつらい気持ちや自分を責める気持ちになった時や、不平等な関係性を感じた時、恋人が向き合ってくれないと感じた時、おかしいと感じた時は、信頼できる第三者に相談する
  • 恋人だけではなく、その他の友人、家族、地域などの居場所を作っておく

といったことが大切です。

もしかして、デートDVかも…と思ったら?

デートDVは、本人たちが気づかない内に、どんどん深刻化するという特徴があります。恋人のことを「怖い」「息苦しい」と感じているなら、それはデートDVのサインです。

そして、デートDVを自分たちの力だけで解決しようとするのは、とても難しい問題です。 相談してみることで、ひとりでは気づかなかった解決方法が見つかるかもしれません。

また、デートDVをされている・している友達の相談を聞いた時は、そばにいてかかわりを持ち続けることが大切です。

相談を聞くときはまず、「話してくれてありがとう」と伝えた上で、まずは親身に友達の気持ちを聞きましょう
「愛されている証だ」「そんな人とは別れるべき」「被害を受ける方にも責任がある」と一方的な判断で言葉をかけることは避け、「あなたは大切な存在」「暴力はたとえ恋人間でもしてはいけないこと」「暴力を受ける方が我慢する必要はない」と伝えましょう。
そして、できるだけ早く専門の相談機関に相談してみてください。

デートDVに関する電話相談窓口
デートDV110番(認定NPO法人エンパワメントかながわ)
0120-51-4477
毎週火曜日 18時~21時 /  土曜日 14時~18時(年末年始を除く)

恋人の浮気が心配!言うことを聞かなくて不安…

お互いが好きという気持ちを確かめ合い、幸せを感じる時、同時に「この幸せや相手を失いたくない」という気持ちになるのも自然なことです。ただ、お付き合いをするということは、相手を自分のモノにするわけではありません。「相手が自分から離れないようにしたい」という気持ちは、強い依存(相手がいないとダメだと感じること)や束縛に結びつきます。ですが、相手の行動を制限したり、相手が困っているのに一方的に自分の考えを押し付けることは「愛」と言えるでしょうか? 不安や寂しさは、お互いを知る中で徐々にうめていくもの。パートナー以外の居場所(依存先)をたくさんもっておくことも大切です。お互いを信頼しあい、お互いの未来を応援しあえる対等な関係性かどうか、ぜひ考えてみてください。

もし、大切な人を傷つけそうになってしまった時は…
  • イライラしたら、まずは深呼吸
  • 相手とけんかになりそうな時は、その場から離れたり、距離をおいてみる
  • 友達や家族に自分の気持ちを話し、安心できる2人の関係性について考えてみる

といったことをしてみてはどうでしょうか?

4.おつきあいで大切なことは?

いい関係性のひとつの目安として、相手といる時、「自分らしくいられる」「自分が好きだと思える」ということがあると思います。そのためには、お互いを思いやる気持ちや対等な関係性が大切です。生身の人間同士のおつきあいだからこそ、作り物のストーリー通りにいかないのは普通です。はじめは失敗するかもしれませんが、あせる必要はありません。恋愛関係に限らず、だれかを愛すること、そして愛されることは、人生を豊かにし、自分や大切な人を幸せにすることとつながっています。

相手の気持ちを確認しよう!

「○○してもいい?」「大丈夫?」「何かしてほしいことはある?」

  • NOと言われたり、答えがあいまいならやめておく
  • 「NO」=「愛情がない」ではない
  • 相手のココロの準備ができるまで、待てることが愛情(ムリヤリは恋人同士でも暴力になります!)

自分の気持ちを伝えよう!

「~はしたくない」「それはやめて」「~がいい」「まだ準備ができない」

  • 「それやめて」は言っていい!
  • 上下関係や親しい関係性では、自分の気持ちを素直に言えないこともある
  • 声に出しづらかったら、その場から離れたり、だれかに助けることもできる

性についての正しい知識をもとう!

性関係は、相手と深くかかわります。そして、妊娠や性感染症といったリスクだけではなく、人間関係の変化ももたらします。相手のある性行為は、相手の人生や健康、喜び、悲しみにつながること。少なくとも、単に「やってみたい」という好奇心や、「周りからおくれたくない」という思いから、相手の人生にかかわっていく意思や能力のないうちの性行為はお互いに重荷になったり、不幸につながりやすいもの。ハッピーな関係性のために必要なことをぜひこのHPで学び、考えるきっかけになればと思います。

5.同性が好きな自分って…?

恋愛感情は必ずしも異性にだけ向くわけではなく、同性に心がひかれることも自然なことです。好きにはいろんな形があり、好きになる相手の性別が、異性ではなく、同性・男女両方という人もいますし、逆にまったく恋愛感情がわかないという人や、好きになる対象がゆらぐ人や自分でもよく分からないという人もいます(それも自然なことです)。たまたま、好きになった人が同性だった、大人になっていく内に、好きになる人の性別が変わった、ということもあります。自分の気持ちを大切にしてください。

⇒詳しくは、LGBT・多様な性のあり方

6. 障害のある人も恋愛をする?

障害のある人も、障害のない人と同じように人を好きになり性的感情を抱きます。しかし、交際する際に保護者が過保護になったり、身体的障害で障害のない人と同じような愛情表現をできないなど、障害のある人特有の課題もあります。しかし、障害のあるなしに関係なく、みんなそれぞれが感情を持っていて、尊重されるべきものであるということが大切です。

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