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性的同意

性的同意は、性的な行為に対して、その行為を積極的にしたいと望むお互いの意思を確認することです。性的な行為への参加には、お互いの「したい」という“積極的な意思表示”があることが大切です。

  1. 「性行為」ってどんなイメージ?

 2. 性的同意ってなに?

 3. 初体験ってどう迎えたらいい?

1.「性行為」ってどんなイメージ?

自分には無関係だと感じている人にも知っておいてほしいことがあります。

「子どもを産むための行為」、「快感がある」、「エロいこと」、「こわい」、「自分には無関係」…などなど、人によってさまざまでしょう。

「性」には「生殖」「快楽」「暴力」の3つの側面があります。

生殖」は子どもを産んで、子孫を残すということ。生き物として大切なことです。そして、たとえ若くても、初体験でも、妊娠を望んでいなくても、性行為は妊娠につながる行為です。

快楽」は気持ちいいと感じたり、楽しむことです。「快楽」には身体が「気持ちいい」というだけではなく、心が「楽しい」「満たされる」「安心する」という側面もあります。身体だけではなく、心も満たされる性行為のためには、お互いに心を許しあえ、「こうしたい」という欲求を安全に共有しあえる関係性が必要です。

そして、「支配・暴力」。快楽にもなる性ですが、人を自分の思い通りにするためのツールとして使われたり、人を傷つけたり、傷つけられたりすることにもなります。自分にとって楽しいものが、誰かにとっては苦しいものになりうるということです。

性の多様な側面があることを知ることにより、自分の考え方、相手の考え方を尊重し、良い関係を築いていく手がかりになるでしょう。

また、誰もが性欲があるというのは思い込みで、個人差が大きいことです。性欲を全く感じない、または感じることが少ないというのも自然なことで、侵害されるべきではないその人の性のあり方です。

相手を傷つける性行為? 

性行為は愛情表現と考える人もいますが、同意のない性行為や暴力的な性行為は相手を傷つけてしまうことがあります。自分がしたいからといって相手もしたいとは限りません。

2.性的同意ってなに?

性的同意とは、すべての性的な行為に対して、お互いがその行為を積極的にしたいと望んでいるかを確認するということです。

本来、性は人を豊かにしてくれるはずなのに何か気持ちがもやもやする、嫌な気持ちになる、というのは、お互いの“同意”が尊重されていなかったことが背景にあるのかもしれません。同意のない性的言動は性暴力です。全ての性的な行為において確認されるべき同意をセクシュアル・コンセント(性的同意)といい、近年その概念が広がってきています。性的な行為への参加には、お互いの「したい」という“積極的な意思表示”があることが大切です。

同意を示すためには、自分のしたいことが持つ意味とリスクを十分に理解していることが前提となります。そのため、泥酔している人や寝ている人は同意を示すことができません。

▼性的同意を解説した紅茶と同意の動画

Consent – it’s simple as tea(日本語版)

Consent(英語版)

性的同意のポイントとして、以下が挙げられます。

・NOと言える環境が整っている(非強制性)

・社会的地位や力関係に左右されない対等な関係である(対等性)

・1つの行為への同意は他の行為への同意を意味せず、その都度の確認が必要(非継続性)

具体的な性的同意の取り方と注意点

性行為の際は、自分の気持ちを押し付けたり、逆に相手任せや言いなりになるのではなく、したいこと・したくないことなどお互いの気持ちを確かめあいながら進めることが大切です。

性行為はプライベートな行為なので、まずは誰かに見られる心配のない場所に移動します。

それから、 性的な行為をしたいと思った方(アクションをおこす側)が相手の意思を確認する責任があります。 「手をつないでいい?」「からだをさわるのは嫌じゃない?」「したいけど、どう思う?」などと聞いたりすることで、自分のしたい意思を伝えながら、相手の気持ちを確認しましょう。

同意をとる側は、「嫌だったら嫌って言ってね」「今はやめておいた方がいい?」など、誘う側が相手に断りやすい雰囲気をつくったり聞き方に工夫することもできます。相手の答えがなかったり、「うーん」と曖昧な場合は、一度ストップして、明確な「したい」という気持ちが確認できるまでは無理に進めないことがより安心につながります。

どちらかが嫌なこと、痛いこと、こわいことは無理にすることは相手を傷つけることにつながります。暴力を受けていい人はいません。

※ただし、「コンドームが嫌」等と性感染症予防・避妊に協力しないということは相手・自分を傷つけるリスクがあることです。どうしていやなのか、性感染症・避妊の予防や対策はどうするかを向き合ってみましょう。

性行為を誘われたけど、したくない時は?

性行為をしたくない時は、「今はしたくない」「そういう気分じゃない」「まだ心の準備ができない」等とハッキリ自分の気持ちを伝えてみてください。言葉に出しづらければ、首を横に振ったり、まずはその場から離れるということもできます。なぜそう思うのか、という理由や背景も説明できると相手の理解も深まります。一方的で相手が聞く耳を持ってくれないという時は、対等な関係とは言えないのかもしれません。相手との関係性を考えてみましょう。

もし誘ったのに断られたら?

まずは相手の性行為(手をつなぐなど体を触ったり、キスなどのふれあいも含みます)をしたくないという相手の気持ちを受け止め、その行為はストップしましょう。もし性行為が断られた時に「なんで?」「好きじゃないの?」「付き合ってるのに?」等と相手を問い詰めることはあまりよい方法とは言えません。「(相手の意思にかかわらず)性行為をすることが前提」とした考え方を押しつけたり、相手の意思を尊重しないプレッシャーを与えることがあるからです。

性行為を断られても、必ずしもあなたのことが嫌いとか愛情がないというわけではありません。そしてお互いが今どういう気持ちでいるのか、どういう行為だったらしたいと思えるのか、話し合ってみることがより2人の理解に役立つはずです。

「男性の方が女性よりも直接的な性への関心(「性行為をしたい」や「ハダカを見たい」など)が強い」という社会的な偏見・思い込みがありますが、性的な関心を抱く時期や強さは性差より個人差が大きく、人によってバラバラです。

また、性行為の途中で気が変わることや、性的な反応が愛情の深さを表すものではないと知っておきましょう。

強制ではない性行為なら、何歳からでもいいの?

性行為は何歳になったらOK、という線引きはできません。性行為には妊娠、性感染症、性暴力といったリスクが伴うため、お互いの人生に深く関わる行為です。なので、その責任が取れなかったり、覚悟がない内の性行為は、お互いの人生にとっての大きな負担につながることもあります。自分や相手を守る知識や、避妊の手段をとれない時、性についてお互いにオープンに話し合える関係性がない段階では、よりリスクの少ない愛情表現や性的欲求の解消方法を考えてみてはいかがでしょうか。

性行為に関する法律はどうなっているの?

刑法では、相手が13歳未満の場合には、相手の意思に反していなくても「性的同意年齢」(性行為を断る方法や、性行為のリスクに関する正しい知識を持っていると見なされる年齢)に達していないとして、「強制性交等罪」が成立します。つまり、法律上では、性行為の同意ができる年齢は13歳と設定されています。13歳という年齢は、他の国と比べると低く、その背景には日本で子どもの「性的人権」についての認識が薄かったことが考えられます。

また、大人が18歳未満の相手と性関係をもつことは、各自治体の青少年健全育成条例違反となり罰せられる場合があります。大人が18歳未満の子どもを相手に(結婚している人は大人とみなされ除かれます)、相手の意思に反していなくても、性欲を満たすための性行為やわいせつな行為に及べば処罰の対象になります。

3.初体験ってどう迎えたらいい?

はじめはうまくいかなくても当たり前です。

全部自分でうまくやろうと思ったり、相手にすべて任せようと思わず、パートナーとコミュニケーションをとりながら、あせらず時間をかけて2人でレベルアップをしていきましょう。AV(アダルトビデオ)は性的興奮を高めることを目的に作られたファンタジーであり、現実の性行為を描いているものではなく、性行為の教科書にはなりません。

初めての相手のときは特に痛みを伴うことがあるためコミュニケーションを取り合い、どちらかが「これ以上は難しい」と感じたら、その時点でやめて、無理をせず機会を改めましょう。

みんなの初体験のエピソード

若者のみなさんに聞いてみました!

・「早く性経験をしたい」と思っていて、片想いの相手としました。その時は「大人になった」と思えたけど、愛情を深めあう行為ではなく、私のからだを使ったマスターベーションのようにも思え、「自分は相手にとって魅力のない、足りない存在なんだ」と悩み、その時限りの関係となりました。

「早く上達しなきゃ!相手を満足させなきゃ!」というプレッシャーもありましたが、経験する内に、相手に嫌われるかもしれないと受け身になるのではなく、自分の気持ちよさと相手の気持ちよさが重なるところを探求したり、そのためによく話すことがとても大切だと思っています。不安や痛み、プレッシャーがある時は楽しめません。その経験があってこそ今の自分もあるのかな、とも思いますが、当時の自分に声をかけるとしたら、性経験をあせらず、ちゃんと気持ちを受け止めあえる人を待ってもよかったなと思います。

・日頃からマスターベーションを通して自分の身体を知っていたので、好きな人との初体験は楽しかったです。

・憧れの性行為を経験できて最高!でも性教育の勉強してたのにゴムなしでした…無言だった時間に疑問を感じました。相手は好きな人でしたが、両思いではありませんでした。

・思ったよりも気持ちよくなかったです。これならオナニーでいいや…と思いました。

・したくてしたと言えるかは謎。相手は誰でもよくて、その行為を経験してみたいという気持ちが強かったです。

・とにかくドキドキしたけど、相手がしたいこと・したくないことをちゃんと聞いてくれたので安心感もあった。

などなど、よい経験だった人もいれば、そうではなかった人もいるようですね。相手との関係性によっても、どのような初体験となるかは変わってくるようです。

周りの友だちがみんな経験していて、あせっている

中には周りがしているから、「自分も急がないと」とあせっている人もいると思います。また、自分はまだ心の準備ができていないけど、相手に「しよう」と言われてどうしようか悩んでいる人もいるかもしれません。あせって「誰でもいいや」と体だけを求める相手と性行為することは、「避妊をしない」などリスクの高い性行為やお互いの満足感が得られないことにつながりやすいのです。親にバレないか、妊娠や病気となったらどうしよう…と不安なら、性関係を始めるいいタイミングがいつか、よく考えてみてはどうでしょうか。避妊や性感染症予防の知識や相手に伝える力、もしトラブルがおこった時に対処できる経済力を身に着けてからでも遅くないはずです。性欲を満たすことはセルフプレジャー(マスターベーション、ひとりH)でもできますし、愛情確認は、言葉や性器同士がふれないスキンシップでもすることができます。

相手に嫌われたくないという気持ちや、周りがしているから、愛されている証明にしたいから、性欲があるから、したい理由は様々かと思いますが、性経験があるかどうかで人の魅力は決まりません。焦らずにお互いを尊重でき、安心できることが、心も体も満たされる素晴らしい体験につながるはずです。

性行為の時に気を配ってほしいこと

パートナーとの性行為の時(誘うとき、行為中など)に気を付けてほしいことを聞いてみました!人によってそれぞれなので、みなさんもパートナーとぜひ話し合ってみてください!

・こちらから言わなくてもコンドームは当たり前につけてほしいです。また、お互いの性行為をしたい気持ち・したくない気持ちを尊重するために、性行為の誘いを断った時は、ぎゅっと抱きしめたり、「大好きだよ」と言ったりするなど、その他のスキンシップや愛情表現をしてほしいと思います。

・デートの初めから性行為は始まっています!日頃や性行為中の気遣いなどあると全然違う。心が伴わない性行為は私はしたくないです。

・されたくないこと、してほしいことをできれば言葉にして伝えて欲しいです。やりたいということが恥ずかしいのか遠慮しているのかわからないけど、やりたいと言われないとこっちの一方的なもののような気がして誘っていいのか、どんな気持ちか分からず不安になることがあります。もちろん自分からも聞いたり、意見を言いやすい関係性になるように努力します!

・イクことを最終ゴールにしている人もいるけど、一緒にイチャイチャできれば十分って時もある。無駄に小手先のテクニックを磨こうとするより、相手の気持ちやサインを察したり、伝えあえる関係性が大切だと思う。

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