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幼少期から始める性教育

性について子どもといつから話し始めるのがいい?

「性について話す」というと、大人の性行為について思い浮かべる人もいるかもしれませんが、体や健康、安全のこと、自分らしくあることもふくまれます。普段の生活の中で性について話し始めるチャンスはたくさんあります。
たとえば…

おむつを替えるとき

「おしっこが出て、さっぱりしたね。きれいにしておこうね。」等の言葉がけと清潔ケア

トイレトレーニングやお風呂で

排泄の仕方や性器を清潔に保つケアについて
女の子の体と男の体の違い、子どもと大人の体の違いについて

おもちゃや遊び、持ち物を選ぶとき

男の子・女の子のあるべき姿は一つではなく、その子らしくいることを受け止める

子どもから命の誕生や性に関する疑問を投げかけられたとき

思春期を待たず、幼い子どもの頃から性についての話を始めることで、メディアや友達からの不正確な情報ではなく、保護者が信頼できる情報源や相談相手となることができます。また、幼児期は性に対して先入観がないこと、教えられたことを素直に受け止め吸収していく時期であるからこそ、伝えやすさもあります。

友達や家族・周囲の人とのふれあいがあった時

たとえば、お友達と手をつなぐ・つながないでケンカになった、家族から本人は嫌なのにキスをされた、といった時も「同意」について伝えるチャンスです。分かりやすい動画もあるので、子どもと一緒に見て、話し合うのもいいでしょう。

子どもが性器をさわっているところを見つけたらどうしたらいい?

性器を含め、体に興味を持つのは自然なことです

思春期前に子どもが性器をさわることは、性的な欲求によるものというよりは、指しゃぶりと同じように退屈な気持ちを紛らわすためにしていることが多いのです。「性器いじり」とも言われますが、性器を含め、体に興味を持ったり自分の体をさわるのは自然なことです。
時々見かけるくらいであれば、基本的にほうっておいて大丈夫です。頻繁な場合は、かゆいところや痛みがないか確認し、「何か嫌なことがあったの?」とさりげなく声をかけるのも良いでしょう。
「そんなところ触っちゃダメ」と叱る必要はありません。「人のいるところで性器をさわるのは、見た人がちょっと嫌な気持ちになることや、あなたの体に関心を持たれてしまうこともあるよ。」「さわる時は、きれいな手でやさしく、一人でいる時にしようね」などと性のマナーを教える機会につなげることができます。

「うんち」「おしり」「ちんちん」など性的な言葉を連呼する時は?

排泄の達成感や体に興味を持ったり、周りの人の反応を楽しんでいたりするのかもしれません。一方的に叱りつけることや、一緒に笑うことはかえって性のタブー感を強めてしまうことも。性の話題は大切なことですが、プライベートなことでもあり、性的な言葉で人を不快にさせたり、公共の場や人前で大きな声で話すことはマナー違反だと話しましょう。「うんちや性器についてちゃんと知ることは、自分の体を大切にする一歩だよ。何か知りたいことはある?」と冷静に、絵本なども使いながら排泄や性について学ぶ機会につなげていきましょう。

知っておきたいプライベートゾーンのルール

プライベートゾーン=水着で隠れる部分と口
あなただけの大切な場所

プライベートゾーンは、その人だけが自由に見たり触ったりしていい大切な場所

プライベートゾーンは、他の人が勝手に見たり触ったりしてはいけないところ。お医者さんに体をみてもらう時や手伝ってもらう必要がある時以外で、もし勝手にしようとする人がいたら、勝手にさわらないで、イヤだよと言って逃げて、信頼できる大人に話そう

プライベートゾーンにかかわる言葉や行動で、 他の人に嫌な思いをさせてはいけない

性にかかわる話を聞いて嫌な気持ちになる人もいるよ。スカートめくりやズボン下ろし、カンチョーで遊んだり、さわっていいかを聞かずにタッチすることもやめよう。「それ嫌だな」「やめて」と言われたことはやめよう。

自分のプライベートゾーンをさわったり見たりするのは自由

ただしさわる時は人の前ではしないように。 一人になれるお部屋やお布団の中などで、傷つけないように清潔な手でやさしくさわろう。

3歳くらいから自分の性器を自分で洗う練習をするのもよいでしょう。 体のどの部分も大切ですが、プライベートゾーンの理解は、子どもの性被害予 防にもつながります。もし体をさわられたり、見られたりして嫌な思いをしたと子どもが言ってきた時には、「よく話してくれたね。あなたは悪くないよ。悪いのは 勝手にそうした人だよ」と伝えましょう。

全英児童虐待防止協会(NSPCC:National Society for the Prevention of Cruelty to Children)が製作する子ども向けのプライベートゾーンの啓発の動画で「パンツザウルス」という分かりやすくユニークなものもあります。

「赤ちゃんはどこからくるの?」などと聞かれたら?

多くの子どもは4~6歳ごろに、赤ちゃんはどこからくるのか、 どのようにしてできるのかを聞くようになります。 慌てず「いい質問だね」と受け止め、子どもがどんなことに興味 をもっているのか、子ども自身はどう考えるのかを聞きながら、 科学的な観点から会話を深めていきましょう。 

赤ちゃんはどこからくる?

赤ちゃんは産まれる前は女性のお腹にある子宮という場所で育ち、外につながる腟を通って産まれてきたと説明することができま す。腟は、女性のおしっこが出るところとうん ちの出るところの間にあり、「命の通り道」とも言え、プライベートゾーンの話につなげることができます。 

赤ちゃんはどうやってできる? 

新しい命は、命のもとである男性の精子と女性の卵子とが合わさることによってできると説明できます。どうやって合わさるのかを知りたがれば、男性の性器を女性の性器にくっつけて命の通り道(腟)に精 子を送り届ける方法があり、動物 では「交尾」、人間では「性交」と呼ぶことを伝えられます。 

パパとママもしたの?などと聞かれたら? 

信頼しあう大人同士で赤ちゃんがほしいと思った時に、性行為は自然な行為であること、また病院で精子と卵子を合わせるのを手伝ってもらう方法(人工授精や体外受精)もあることを伝えられます。ただし、今も性行為をしているかどうか、などの話は「それはプライベートなことなので話さないよ」と線を引くことができます。こうすることで、子ども自身も「自分のプライベートな話は話さなくていいんだ」と学ぶことができます。

もしこれまでに 質問をはぐらかしたり、 間違ったことを教えていたら?

その間違いを認め、訂正することができます。「この前どうやって赤ちゃんができるか聞いてたよね。あ の時は言えなかったけど今は答えられるよ」と伝えたり、絵本を使うのもよい方法でしょう。 

※本HPの内容は助産師の土屋麻由美氏にもご協力いただき作成いたしました。

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