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性暴力

性暴力とは、性に対する人権侵害です。性と生殖に関する健康と権利を犯し、幸せで健康にすごせないことをいいます。

具体的には、同意なく性行為を強いられるレイプ、デートDVや痴漢、セクハラなどの性的嫌がらせなどあなたが性的に「イヤだな」「気持ち悪いな」と思えばそれは性暴力です。あなたの望まない性的な行為は、性暴力にあたります。

また、性暴力そのものによる直接の被害だけでなく、「被害のショックでなにもやる気がおきない」「性暴力に対する誤解や偏見で心ない言葉をかけられてショックを受けた」「外出したくない」「人とかかわりたくない」など性暴力の後にもいろいろな影響があります。特に性暴力は、他の犯罪よりも正しいことが伝わっておらず、被害の後さらに傷つけられることがあります。このことを「二次被害」「セカンドレイプ」といいます。
性暴力はよく加害者の責任・落ち度であることの前に、その時の被害者の服装など被害者の自衛や責任の問題として責められたり、大したことない、早く忘れるべきなどと矮小化されたりして、被害者の人が苦しむことが多いです。
性暴力に対する正しい知識を持つことは、被害者への偏見をなくし支えることにつながります

  1. もし性暴力被害にあったら?
  2. 性犯罪の相談窓口
  3. セクハラとは?
  4. リベンジポルノとは?

1. もし、被害に(あなた、友だちが)あったら?

もし被害にあっても決して被害者が悪いわけはありません。
悪いのは100%加害者です。
もし心ない言葉をかけられても、被害にあった人をせめないでください。
被害にあった時は自分の心身をこれ以上傷つけないようにすることが大切です。
もし、友だちが被害にあったら、その友だちの意思を尊重した上で支援機関につなげる事が大事です。
以下の方法で対応しましょう。

①警察:被害を訴えたい場合、行きましょう。警察の人と相談して婦人科に行くことを検討してみてください。レイプキットといって、犯人の証拠をとることに対応した婦人科を紹介してくれます。

②婦人科・産婦人科:女性の体をもっていて、一刻も早く緊急避妊や体の治療を受けたい場合、行きましょう。医師・医療従事者と相談して被害を訴えたい場合、警察に行くことを検討してみてください。男性の場合は泌尿器科・皮膚科、保健所等で性感染症の検査が可能です。

>>アフターピル・緊急避妊についてはこちら

>>性感染症についてはこちら

③性暴力被害者ワンストップ支援センター:被害にあったことを専門家に相談し、今後の対応を考えたい場合行きましょう。全国共通ダイアル #8891(早くワンストップ)で各都道府県に設置されている最寄りのワンストップ支援センターにつながります。

どこから行っても大丈夫ですが、専門家と相談して次の支援先を尋ねることをおすすめします。
「これって性被害?」と悩んだときは警察の電話相談(全国共通 #8103)や性暴力被害者ワンストップ支援センター(全国共通 #8891)で相談してみてください。痴漢被害についての相談にものってくれます。

① 警察に行く
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警察に行くとき、できれば被害にあったままの服装、トイレに入らず行ってください(着替えた場合はすべての服をビニール袋などで持参しましょう)。

 

② 婦人科・産婦人科医に行く
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女性の体をもっている人は緊急避妊用のピルを処方してもらえます。性行為から早く服用するほど効果的で、72時間をすぎると効果が落ちてしまうので早めに行きましょう。
また、証拠として加害者の体毛・精液を採取するためには、できれば被害にあったままの服装でシャワーを浴びずに行ってください(服を着替えた場合はすべての服をビニール袋などで持参すると、被害の証拠になります)。

③ 性暴力被害者ワンストップ支援センターに行く
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性暴力にあった方に、医療・福祉・司法等の必要なサービスを、1か所でまとめて提供する「性暴力被害者ワンストップ支援センター」が、全国各地にできつつあります。 性暴力被害者の支援経験がある、もしくは被害者支援のための研修を受けたスタッフが、対応します。

>性犯罪・性暴力被害者のための
ワンストップ支援センター一覧(内閣府)
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html

性暴力被害者支援ガイド(SARC東京作成)

身近な人から「性暴力被害にあった」と相談された時や、自分自身が被害にあった場合の対処法や支援の流れについて分かりやすく解説しています。

●男性が性被害にあったら?


男性・男の子も被害にあうことが社会的にも認知が広がってきました。
あなたが男性であっても、相手がどんな性別であっても、あなたの同意なくからだに触れること、性的接触をすることは性暴力です。

多くのワンストップ支援センターでは、男性からの相談も受け付けていますし、受け付けてない場合は、どこで相談可能かを聞いてみてください。福岡県神奈川県宮城県岐阜県など、男性や性的マイノリティーの人に向けた専門相談ダイヤルを開設したりしている自治体もあるので、まずは問い合わせてみてください。

支援を受ける上で心にとめておいてほしいこと

・支援先では、思い出したくない質問をたくさんされます。すべての質問に答えないといけないわけではありません。自分の体と心を守って、これ以上傷つかないことの方が大切です。
・心ないことを言われることがあるかもしれません。でも、それは性暴力の理解が進んでいないからです。決して被害者が悪いからではありません。
・言えないこと、できないことは、はっきり意思表示をして、分からないことは何でも質問してみてください。

2. 性犯罪の相談窓口

性犯罪の被害にあったことを相談したいとき「これって性被害?」と悩んだときにも気軽に相談できる電話相談先があります

●#8103 性犯罪被害者相談電話(全国統一)
各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながる全国共通の短縮ダイヤル番号。ダイヤルすると発信された地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながります。(受付時間は各地域の窓口によって異なります。)
http://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html

●088-873-0110 レディスダイアル
「警察署には行きづらい」「性的なことを男性警察官に話しづらい」などの気持ちから、被害の届出を迷っていたり相談をためらっている方のために、女性警官が対応する電話相談窓口。(平日午前8時30分から午後5時15分まで)

なお、虐待かもと思った時などは「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」」にかけるとお近くの児童相談所につながります。 通告・相談は、匿名で行うこともでき、通告・相談をした人、その内容に関する秘密は守られます。

こんなことを聞かれます

・加害者との関係(知り合い?知らない人?など)
・被害にあった時間、なにをするためにその場にいたのか。
・どんなことをされたか(とてもデリケートな問題で話したくないと感じるかもしれません。自分の無理のない程度に答えてください。)

被害を警察に届けた後の流れを知りたい場合

以下のウェブサイトもご参照ください。

・福岡県警察『性犯罪の被害にあったとき…』

つらい気持ちを吐き出したい場合

自分が被害にあったと知られず、つらい気持ちを聞いてほしい、以前受けた性被害を思い出してつらい、心配なことがあるという人は、こちらの相談先もあります。

よりそいホットライン(性暴力・DV専門の回線があります)
 0120-279-338

Cure Time

これって普通なの?と思うこと、イヤだったこと、困っていること、モヤモヤしていることなど何でも誰でも匿名でチャットから相談できます

BONDプロジェクト
 10代20代の女の子専門の相談窓口で、電話、LINE、メール、面談等で相談できます

身近な人が性被害にあった場合にできること

まずは被害者の安全を確保することが大切です。被害場所にとどまっていたり、加害者に居場所や連絡先を知られていたりしないか確認してください。緊急の場合は、110番するなど、警察に連絡してください。

そして、被害者は自分が悪かったのではと自分を何度も責めたりします。「あなたは悪くない」「あなたに落ち度も責任もない」と繰り返し伝えてください。被害者を信じて話を聞いてください、気持ちを丁寧に聞き、そのまま受け止めてください。

するべきではない対応として、「どうしてそんなことになったのか」等と動揺した気持ちをそのまま伝えたり、被害者の話を疑い、否定したり、被害者の落ち度を責めたり、被害を「たいしたことない」「早く忘れなさい」「あなたなら大丈夫」「頑張って」と扱ったり、どんな支援を受けるかを一方的に決めたりすることです。

 被害者を支える立場の人がつらくなったり苦しくなることもあるかもしれません。そんな時は自分だけで抱え込まずに、性犯罪・性暴力被害者支援のためのワンストップ支援センター等に相談することもできます。

3. セクハラとは

ストップ禁止の手のひらアイコン「セクハラ」とは、英語のセクシュアル・ハラスメントの略で、性的ないやがらせをすることです。セクハラには、いやらしい形で体に触るなどの身体的な接触による嫌がらせもあれば、言葉によるものも含まれます。

<セクハラの例>
・身体に関するからかい・性的な冗談やからかい
「胸が小さいね!」「大きな声で下ネタを話している」「デブ(と言われることで笑いをとっているが、本当はつらい)」
・食事やデートにしつこく誘う
・身体への不必要な接触
・性的関係の強要
・これらを拒否・抵抗すると、「成績をさげるぞ」「仕事をやめさせるぞ」などとおどす
・聞いている人が不快になる性的な話をする

セクハラする側が、セクハラだと気づいていないことも多くあります。言いだせないけど、「本当は辛い」と思っている人がいれば、それは「セクハラをされている」と言えます。
特に男性からのセクハラ発言が多いですが、男性も「童貞いじり」などセクハラの被害者になることがあります。
「いつも気にしてなかったけど、セクハラしてるかも」と心当たりのある人は自分の行いを改めて考えてみて、周りの人が「イヤだ」と思いそうなことはしないように気をつけてみましょう。

だれかから「それはセクハラです」と言われた時、あなたはそれについて納得がいかないこともあるかもしれません。何をセクハラに感じるかは、人によって異なります。そして、あなたの行為に対して、相手が「イヤだ」と思ったのは事実です。相手には同じことはしないようにしましょう。相手が何がイヤだったのか、どう相手に接していいか分からない時は、相手に聞いてみましょう。

そして、セクハラに困っている人は「イヤだ」と言ってもいいということを覚えておいてください。直接相手に言うのが難しいときは、まずはその場から立ち去るということもできます。
その時相手に言えなかったとしても、周りの友達や身近な大人・先生に相談するなどして対処を考えましょう。
学校や会社でハラスメントの相談窓口を設けている所もあるので、相談してみましょう。

4. リベンジポルノとは

カメラアイコン8 (1)恋人などパートナーである人が、復讐(リベンジ)を目的として、以前撮影した相手のHな画像や動画をインターネット上などに公開することを「リベンジポルノ」と言い、これは犯罪行為です。

パートナーやパートナーとのプライベートな画像をいつも見られるようにしたい、思い出として残したいという気持ちは自然なことです。しかし、今は簡単に写真や動画をインターネットにアップができる時代です。

撮影するときに「いいよ」と言ってしまうと、写真や動画をインターネット上で公開されたとき、「消して」と言い出しにくいことが多いようです。誰かに相談するのも恥ずかしいと泣き寝入りするケースや、相談できても1度ネット上にあがったものを完全に消すことが難しく、「知り合いにみられるのではないか」と苦しめられる人もいます。

自分の画像を送る時は、SNSを通じて知り合った人や、実際には会ったことのない人はもちろん、信頼している友達やパートナーにも、その後のことをよく考えてどの画像にするか慎重に選びましょう。

そして、友だちやパートナーに他の人に見られたら困るプライベートな写真や動画を「送って」と求めることは、相手を困らせるかもしれないことを知っておきましょう。

あなたの画像を送ってしまった・撮られてしまった場合は相手にデータを消してもらうように求めることもできます。相手のスマホ・PCなどにはいっているデータだとしても、あなたの知られては困る情報なら削除を求める権利があります。自分で削除をお願いすることができない、「けんか別れで別れた後に思い出した」など相手に伝えることが難しければ、専門機関に相談してみましょう。

リベンジポルノについて相談したい方はこちら
【一般社団法人セーファーインターネット協会】
https://www.safe-line.jp/against-rvp/

参考:NPO法人しあわせなみだHP
http://shiawasenamida.org/

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